「エンド・ゲーム」 恩田陸

エンド・ゲーム 常野物語 (集英社文庫)

エンド・ゲーム 常野物語 (集英社文庫)


常野物語3作目。
1作目の「光の帝国」ででてきたオセロゲームの続編。



『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。
『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。
特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪。
そして今、母が倒れた。ひとり残された時子。
絶縁していた一族と接触、親切な言葉をかける老婦人は味方なのか?
『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?



1作目の『光の帝国』の中でも異彩を放っていたのがオセロゲームでした。
他の作品がどこか救いがあったり、温かみを感じられる部分が多かったなか、
この作品だけは、肝が冷えるというか正体不明の嫌な感触があった。


拝島家にとっての脅威、『あれ』とは一体何なのか。
『裏返す』とはいったい何のための能力なのか。
失踪した父はいったいどこへ行ってしまった?
倒れた母のその後はどうなる?


と、主人公の時子さながら「????」がたくさんのまま読み進む。
物語は、精神世界(哲学)っぽくなっていって理解が追いつかない。
語り手がどんどん変わるので、その都度視点を変えてゆくのが大事。


これ、4作目って出るのかなぁ?