3月ベスト。

月間ベスト3月篇。


3月も割かしハイペースで10冊。
もう少し読めるかなと思ったのだけど。
家にいると読まなくなるもんですな。


ってことで、3月ベスト。


神様のカルテ2 (小学館文庫)

神様のカルテ2 (小学館文庫)


やっぱりこれかな。
仕事と家庭の両立ってことが考えさせられた。
私は「己」をなくして働けるか自問自答。
答えは出ているのだけれど、うまくできるかどうか。


次点は


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こちらにしました。
初めて読んだけど、すごく面白かったので。
やっぱり警察小説って好きだなー。


さて、忙しくなります。
月に5冊読めたら上出来にします。
自分が楽しめるように。
自分のためになるような本をば。

「オール・マイ・ラビング」 小路幸也


去年の夏に買って、ずーっと積読



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東京、下町の老舗古書店東京バンドワゴン」を営む堀田家。
今は珍しき四世代の大家族。
店には色々な古本が持ち込まれ、堀田家の面々はまたしても、
ご近所さんともども謎の事件に巻き込まれる。
ページが増える百物語の和とじ本。
店の前に置き去りにされた捨て猫ならぬ猫の本。
そして、いつもふらふらとしている我南人にも、ある変化が…。
ますます賑やかになった大人気シリーズ、第5弾。


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約1年半ぶりくらいにシリーズを読みました。
登場人物めっちゃ多いし、大丈夫かな…と思いながら。
でも、そんな不安は吹っ飛ぶくらいすぐに世界へ。
ま、人物間にあった出来事とかはあやふやな部分もありましたが…(笑)


1つのお話がどれも愛にあふれていてやっぱり好きです。
不思議な出来事が起こっても、必ず愛あふれる解決。
登場人物はどんどん増えていきますが、それさえも楽しい。


サチさんの言葉が、胸にしみます。
ドラマ化・映画化してほしい気持ちと、
このまんまにしておいてほしい気持ちが入り乱れますね。


夏前にまた文庫の新作が出るかな。
単行本の新刊はもうすぐ出るようですが。

「主よ、永遠の休息を」 誉田哲也

主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)

主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)


恒例の誉田氏。


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通信社の東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。
コンビニ強盗現場に居合わせて犯人逮捕をスクープ。
その事件を通じて、店員の芳賀桐江と知り合う。
逮捕に協力して立ち去った現場で遭遇した男から、
暴力団事務所の襲撃事件について訊ねられた吉郎は、
調査の過程で、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の“実録映像"が
ネット配信されていたことを知る。犯人は精神鑑定で無罪とされていた……。
静かな狂気に呑み込まれていく事件記者の彷徨を描いた傑作。


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やっぱり読み始めると、あっという間に読んでしまう。
読み始める時には注意が必要だわ。


女性を主人公にしたものが多い誉田さんですが、
この作品は、男女が交互にモノローグを語るパターン。
インタビューを読む限りですが、
この話は「ストロベリーナイト」のゼロ作目にあたるらしい。
本当は、姫川や井岡なんかが事件を解決する予定だったそうな。


残酷な描写は健在で、誉田氏の作品には欠かせない。
思わず目をそむけたくなるし、人間性に疑問を持つ人もいるだろう。
私はそれでも読みとおします、自分の住む世界の平和をありがたく思うために。


話の大筋は中盤で読めますが、真相は想像していませんでした。
救いのない話であるのが誉田氏の警察&ミステリー小説です。
まぁ、その真反対の超青春小説も書くので、今後も目が離せませんね。


とにかく、姫川シリーズを早く文庫化してください…(切実)

「詩的私的ジャック」 森博嗣

詩的私的ジャック (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)



森さんのS&Mシリーズ久々です。


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大学施設で女子大生が連続して殺された。
現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。
捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。
被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。
N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、
明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する。


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前作である「笑わない数学者」が作者イチオシだったというので、
それを読み終えてから、どうしよっかなーって思っていたのですが
古本屋で続きを見つけたので、積んでおきました。
まぁ、ようやく読む気になったわけですね、はい。


かなり久々でしたが、なかなかに楽しめました。
シリーズを構成する人々がある程度分かってるからですね。
最初の「すべてがFになる」に比べてみても読みやすい。


動機に関してあまり興味がないという犀川が探偵役なので、
他のミステリー物に比べると、やや動機が理解しがたいのは毎度ですが。
こういう作品もまた面白いんだと分かるようになってきました。
自作を読むかは分かりませんが、またいつの日か手に取ろうかな。

「歪笑小説」 東野圭吾

歪笑小説 (集英社文庫)

歪笑小説 (集英社文庫)


「○笑」シリーズの4作目です。


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東野圭吾、いきなり文庫で登場!


新人編集者が初めての作家接待ゴルフで目の当たりにした、
”伝説の編集者”の仕事ぶりとは。
単発のドラマ化企画の話に舞い上がる、若手作家・熱海圭介のはしゃぎっぷり。
文壇ゴルフに初めて参加した若手有望株の作家・唐傘ザンゲのさんざんな一日。
会社を辞めて小説家を目指す石橋堅一は、新人賞の最終候補に選ばれたが…。
小説業界の内幕を暴露!!
作家と編集者、そして周囲を取りまくひと癖ある人々のドラマが楽しめる、
全12話の連続東野劇場。


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小説業界の裏話が面白おかしく書かれています。
編集者の毎日や、小説かとのやり取り。
小説誌や文芸誌って何のためにあるんだ?とか。
小説を読む人たちの素朴な疑問を笑いで解決。


巻末広告がめちゃくちゃ面白いです。
全部読み切った人にとって、ニヤニヤです。


やー、このシリーズ面白いです。
サクッと読めて、あとくされない感じで。
また新作書いてほしいです。

「植物図鑑」 有川浩

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

植物図鑑 (幻冬舎文庫)


積読だった有川作品。
神様のカルテの表紙絵と同じ方だなーと。


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「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。」
「咬みません。躾のできたよい子です―。」
思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫。
そのうえ、重度の植物オタクだった。
イツキという名前しか知らされぬまま
、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。
とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。


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もともとはケータイ小説だったみたいですね〜。
少女マンガを読んでいるような気分になります。
伏線がとっても分かりやすく引いてあるので、どんでん返しもないけども。
でも、安心して読めるといえば、それにつきるのです。


雑草という草はなくて、どんなものにも名前はある。
これは、草だけではなくあらゆるものに転じて考えられるなぁと。
道に生えている草をちょっと気にしてみたいな。

「神様のカルテ2」 夏川草介

神様のカルテ2 (小学館文庫)

神様のカルテ2 (小学館文庫)


「医師の話ではない。人間の話をしているのだ。」


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栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。
「二十四時間、三百六十五日対応」を掲げる本庄病院で
連日連夜不眠不休の診療を続けている。
四月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。
一止と信濃大学の同級生だった進藤は、
かつて“医学部の良心”と呼ばれたほどの男である。
だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。
失意する一止をさらなる試練が襲う。
副部長先生の突然の発病―この病院で、再び奇蹟は起きるのか。


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前作を読んでから2年近く経っていますが、
すんなりとその世界観にはいって行けました。


仕事と家庭とのバランスというものを深く考えさせられました。
とくに人の命と密接にかかわる職業に携わる人々に対する
その他大勢の感覚というのは、悪意よりやっかいである。
医師が(彼らの生活)すべてを投げ打っているのは当然。
少しでも、彼らが自分の生活を大事にしようものなら、人でなし。
彼らも同じ人間であるということを忘れてはいけない。


ラストは、涙があふれました。
(酔っ払って読んだのもあるんだけど、涙腺ゆるかったなー)
悲しいけれど、あたたかさの残る作品ですね。
すでに3が単行本で刊行されているので、文庫化をまとう。