「フリーター、家を買う。」 有川浩

フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)

フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)


有川作品の文庫化が続いていて、楽しんでます。


ドラマは見ませんでした。
放送されていた頃は、有川浩さんを分かっていませんでした。
(むしろ、原作だって知ったのもかなりあとだった気がします)


就職先を3ヵ月で辞めて以来、自堕落気儘に親の脛を齧って暮らす主人公。
そんな日々が続くかと思っていたが、母親が病にかかったことが分かる。
バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。
本当にやりたい仕事って?自問し、壊れかけた家族の再生を描く。


この作品の見せ場は前半かなぁって思う。
主人公が自分の家族の壊れっぷりを知るシーン。
このシーンがハイライトなんじゃないかと思うくらい、すさまじかった。
特にお姉ちゃんが、むちゃくちゃ男前なお姉ちゃんで。
お父さんも、これまた典型的にダメなお父さんだけど、
あぁこういうお父さんいるよなーって思う感じ。


後半は、予定調和的な。
主人公があまりにできる男になってい過ぎてちょっと残念。
性格が180度変わっちゃってるんですけど?
そうなってしまうだけ大きな前半だったと捉えるべきか。
別の展開を用意して、もう少し世の中の厳しさを教える内容でも良かったかと。
だんだんみんながよい人になってしまっていて…物足らない。
もう少し、主人公に対してわるーい人が出てくると面白かったかな。