「神様のカルテ2」 夏川草介

神様のカルテ2 (小学館文庫)

神様のカルテ2 (小学館文庫)


「医師の話ではない。人間の話をしているのだ。」


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栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。
「二十四時間、三百六十五日対応」を掲げる本庄病院で
連日連夜不眠不休の診療を続けている。
四月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。
一止と信濃大学の同級生だった進藤は、
かつて“医学部の良心”と呼ばれたほどの男である。
だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。
失意する一止をさらなる試練が襲う。
副部長先生の突然の発病―この病院で、再び奇蹟は起きるのか。


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前作を読んでから2年近く経っていますが、
すんなりとその世界観にはいって行けました。


仕事と家庭とのバランスというものを深く考えさせられました。
とくに人の命と密接にかかわる職業に携わる人々に対する
その他大勢の感覚というのは、悪意よりやっかいである。
医師が(彼らの生活)すべてを投げ打っているのは当然。
少しでも、彼らが自分の生活を大事にしようものなら、人でなし。
彼らも同じ人間であるということを忘れてはいけない。


ラストは、涙があふれました。
(酔っ払って読んだのもあるんだけど、涙腺ゆるかったなー)
悲しいけれど、あたたかさの残る作品ですね。
すでに3が単行本で刊行されているので、文庫化をまとう。