「放蕩記」 村山由佳

放蕩記

放蕩記


「私はどうして母を愛せないのだろう」
帯に書かれた文字に引きつけられたけれど…。


作者の半自伝的エッセイとの事でしたが、消化不良かな。
確かに、ここに描かれる主人公の母(作者の母)は強烈。


ここまでではなくてもどの母と娘も似たような経験をしてる。
2人とも「女」で、2人が似る場合もそうじゃないこともあるから。
かくいう私だって、母には違和感を感じたりすることもある。
理解できる部分だってあるし、根本的にダメなとこもある。
でも、母娘はそれを2人の関係の中で昇華してるんじゃないかなぁ。


他人の日記を盗み見ているような、罪悪感が残る。
私は、こんな困った母親に育てられてきたのよっていう感情がダダ漏れ
母が変わらないなら、こっちが変わるかその母を許せばいいのにな。
(かくいう私がそれを出来ているかどうかは別問題だけど…)


んー、少し前までは魅力的な大人が出てくる小説も書いてたのにな。
最近はロングシリーズの「おいしいコーヒーの入れ方」も停滞気味だし。
「ダブルファンタジー」「アダルトエデュケーション」あたりから変わった?
んー、「星々の舟」あたりからなのかなぁ…直木賞取ってから?


その前に出た、「遥かなる水の音」は結構良かった分
ここ最近の作風の変化に戸惑うばかりです。