「まほろ駅前多田便利軒」 三浦しをん

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)



三浦さん、3冊目〜。
直木賞受賞作だし、期待度高め。


東京と神奈川の県境、まほろ市にある多田便利軒。
便利屋として働く多田の前に現れたかつての同級生、行天。
多田のもとに仰天が住みついた1年を描いた物語。
便利屋への依頼は、バス会社の間引き運転調査から始まって、
チワワを預かったあとに新たな飼い主を捜したり、
小学生の塾への送り迎えをしたり。
依頼を受けているうちに、なぜだかきな臭い人々が集まってきて…?


テンポも非常に良くて、読みやすかった。
行天の良く分からない行動や発言に振り回される多田。
何にも考えてない風で、実はよく考えているのか?と
思わせるような発言をする行天(でも、やっぱりなんも考えてないのか)


多田もふつうのおじさんかと思いきや、深い闇を抱えている。
物語の後半、特に最終章での多田の過去はなかなかに重い。
でも、関わった様々な人々との間で、幸福は再生することに気づく。
きちんと救いのある話で、良かったなぁと思う。


映画のキャスティングを知っていたので、
最初はなんとなく2人とも若いイメージでしたが、
そのうちにちゃんと2人とも中年男性になりました(笑)


映画も見ておこうかな。