「はるがいったら」 飛鳥井千砂
- 作者: 飛鳥井千砂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/01/20
- メディア: 文庫
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絶賛、未読作家フェア中。
こちらも、よく本屋で見かける方。
文庫の表紙はどれも漫画家さんに書いてもらっているのかなー。
こちらの表紙はいくえみ綾さんですね。
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両親が離婚し、離れて暮らす姉弟。
完璧主義の姉・園は、仕事もプライベートも自己管理を徹底。
だけど、婚約者のいる幼馴染と不毛な恋愛を続けている。
身体が弱く、冷めた性格の弟・行。
寝た切りの愛犬・ハルの介護をしながら高校に通い、進路に悩む。
そんなある日、行が入院し、ハルの介護を交代した園。
それがそれぞれの転機になり、少しずつ変化をもたらす…。
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完璧主義の姉の園は、どこまでもストイックで他人に批判的(でも外面良し)
全てをコントロールできないと、不安になるもろさがある。
そうやって追い求める姿が誤解を招いて、不穏な影が。
一方の病弱な弟・行は姉と対照的に自分の気持ちにあきらめがち。
「こんなものか」と自分に暗示をかけて、なんとなくやり過ごす。
でも、進路のことだけは何か割り切れないものがある様子。
その2人をつなぐのが幼いころに季節が春のころに拾った愛犬・ハル。
もう自分のことが何もできなくなってしまった老犬だけど、
介助犬などは最近メジャーになってきてますが、ハルは被介護犬。
その設定もなかなか面白いなーとおもって、読みました。
誰しも、園の部分と行の部分を心に抱えてるんじゃないかなー。
2人はそれをかなり誇張して書いてるけどねー。
ラストはタイトル通りになります。
そこへ行きつくまでに、園・行それぞれに変化がありますが、
日々はまだまだ続くのだなぁと思わせるラスト。
園におこったトラブルも、物語上では解決したように見えますが、
彼女自身も変わっていかなきゃならないだろうし。
行の進路の件も、結論は出ないままだけどそういうものでしょう。
出てくる人にひどい悪人がいないので、すっきり読めます。
読後感がいいので、この方の本はまた手にとってもいいかも。
あ、ひとつだけ。
やっぱりこれは春に読むほうが良かったかな(笑)