「こうふく みどりの」 西加奈子

こうふく みどりの (小学館文庫)

こうふく みどりの (小学館文庫)


10月、未読作家フェア中〜。
この方も、以前から読もうと思って手にとらなかった人。
詳細はあとで話します(笑)



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「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」
そう言った転校生のコジマケンが気になる緑。
緑は、まだ初恋を知らない十四歳。
夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん。
妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん。
バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん。
藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。
なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。
そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。
それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは―。
大阪のとある街を舞台に、さまざまな形の“女のこうふく”を描く。


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…関西弁でずっと語られる1冊で、最初はなかなかその口調についていけず。
読みきれるかな…と一抹の不安を覚えたけど、読んでみればあっさり。
段々とその口調に慣れてくると、楽しくなってきます〜。


基本は緑がみている辰巳一家の様子だけど、合間に別の人の告白が挟まる。
最初は、これってどこにつながっていくのかしら―と思っていたのですが、
進んでいくうちに、あぁこの人の告白だったかーと分かってくる。
その告白がやがて物語のポイントになってくるわけで、よく作られた話。
あとアントニオ猪木にまつわるエピソードも良かった。
彼にファンが多い理由が少しだけ分かった気がします。
読後感は良かったです。


若い人に人気のある作家さんだとは知っていました。
でも、どうしても手にとりたくなかったのです。


かつて、とても好きだった人が好きな作家さんだったから。
すごくいい作家さんだと、勧めてくれたけど心動かず。
好きな人の好きなものを好きになるって幸せなようでて、ちょっとせつないでしょう?
まぁ、これ以外にもたくさん他で影響受けたしねー、…もうお腹いっぱいだわ。


じゃあ、なんで今なのかは分かりません。
冷静な判断ができるようになったのかもしれないねぇ。


これの対になる「こうふく あかの」は読もうかな。
あと、「きいろいゾウ」も私の好きな宮崎あおいちゃんで映画化されるらしいしな〜。