「真夏の方程式」 東野圭吾
- 作者: 東野 圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/06/06
- メディア: ハードカバー
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11月、1冊目。
去年から、もうずっと読みたかった。
ハードは我慢してたけど、借りればいいのかと。
しかも、私けっこう楽に借りれるじゃんと。
ハードは電車で読みにくいし、と敬遠してたのですけどね。
やっぱり読みたい欲望には勝てないもんです。
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夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。
翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。
その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。
彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。
これは事故か、殺人か…湯川が気づいてしまった真相とは―。
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これは、ミステリーを下敷きにした少年の成長物語。
子供嫌いのはずな湯川先生が、子供と触れ合う場面が良いです。
「子供嫌い」の湯川の何か触れるものがあった少年だったのでしょう。
湯川が教える立場の人間であることを改めて実感しました。
成長を温かく見守る姿が、やっぱりいいなぁって思ってしまうのです。
どうか、少年が自分をきちんと見つめられる青年へと成長しますように。
前の長編「聖女の救済」が面白かったけど、共感できずだったので、
今回はとても楽しく読めて、後味も悪くなくて良かったです。
ガリレオシリーズは、この前刊行されたのがラストらしい…。
えぇぇぇ?一番好きなシリーズなのにっ!
ラストと言いつつ、また書いていただけないかしら(笑)
以下、私がどうしても残しておきたい引用。
ネタバレですので、読んでいない方はスルーで。
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「どんな問題にも答えは必ずある」湯川は眼鏡の奥から真っ直ぐに見つめてきた。
「だけどそれをすぐに導き出せるとは限らない。人生においてもそうだ。
今すぐには答えを出せない問題なんて、これから先、いくつも現れるだろう。
そのたびに悩むことには価値がある。しかし焦る必要はない。
答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。
だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないんだ。」
(単行本P.412より抜粋)
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