「パラダイス・ロスト」 柳広司

パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト


こちらも久々にシリーズ読みました。
ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」に続く3作目。
楽しくって一気読み、面白いなー、このシリーズ。


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ナチス占領下のパリで、老婆を助けようとした日本人留学生「誤算」
ラッフルズ・ホテルで起こった殺人事件を解こうとするアメリカ兵「失楽園
イギリス特派記者のプライスは、D機関の設立者・結城の過去に迫る「追跡」
サンフランシスコから横浜へ向かう豪華客船で起こる事件「暗号名ケルベロス


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すでに前2作品を読んでいるので、D機関で育ったスパイたちが
今回はどんな手段をつかってくるのかを想像しながら読み進められる。
後からからくりが分かるようになっていると、知っている安心感かしら。


途中で結城の過去が分かるの?とちょっとドキドキワクワクしましたが…。
そう簡単に手の内を明かすわけないよな、あの男がって感じです(笑)
しかし、用意周到すぎる…いったい何を考えて生きているんだろう…結城。
3作を読んでも、結城の実態は闇をつかむようで何も見えないなぁ。


今回の作品で、一番好きだったのは「失楽園」ですね。
ラッフルズ・ホテル!コート・ヤードにパーム・コート!
ロング・バーのシンガポールスリング!が懐かしすぎて泣ける。
話は全然泣けないんだけど、完全に個人的思い入れが強すぎ(笑)
すっごくお高いホテルだから泊まれないけど、泊まりたい。


でもって「ケルベロス」の終わり方が気になります。
このシリーズが終わった時に、あぁ「ケルベロス」が転換点だったね。
っていう感じになるんだろうか…。


また、すでに第2次世界大戦が起きているって言う時代背景もいい。
ドイツ・フランス・アメリカ・イギリスと日本が複雑に絡まってくる。
戦争の結果を知っている私たちが読むから、また面白みがあるのだろうな。
今後、結城率いるD機関がどう出るのか気になるので、続刊希望!
次に太平洋戦争中の話が出てくるんだよね?
あれ、すでに出てるんだっけ??前の2巻を文庫で復習しないとなー。