「街の灯」 北村薫

街の灯 (文春文庫)

街の灯 (文春文庫)



北村薫さんの本は「スキップ」しか実は読んだことがない。
でも、「スキップ」は好きな1冊なので、他のも読もうと思って早何年だろう(笑)


その北村薫さんが直木賞をとった「鷺と雪」と同じシリーズ。
面白そうなので、1作目の「街の灯」から読み始めることに。


昭和7年のそろそろ日本がきな臭くなってくるころを舞台にしたミステリー。
上流階級のお嬢様、英子とその運転主のベッキーさん。
お嬢様の日常を描きつつも、そこに起こる不可解な謎を解き明かす。。
ベッキーさんが、例の「執事もの」のように安楽椅子探偵なのかと思いきや、
英子自身が謎を解くときもあれば、ベッキーさんにヒントをもらうことも。


別宮ことベッキーさんの素性が気になるなぁ〜。
博識だし銃や刀も扱えるんだけど、謙虚な姿勢を貫く。
一体何者なのかなぁ…これは今後のシリーズで分かるのかな。


時代描写がとてもよく書けていると思います。
特にラストの方は、ちょっとほろ苦いしえげつない部分もありました。
でも、ベッキーさんの言葉でそのえげつなさも軽減される。
本当に不思議な存在だな〜、ベッキーさん…。