「チーム」 堂場瞬一

チーム (実業之日本社文庫)

チーム (実業之日本社文庫)



「風が強く吹いている」を父に貸したら、
「おぉ、俺もこの前これじゃない箱根の小説を読んだよ」
…さすが父、やっぱり箱根好きなのだなー(笑)


と言って、父が読んだ本を貸してもらった。
この堂場さんの作品読むのも初めてだー。
ちょうど箱根熱が高まっていたので、そのまま読み始めました。


場面は、箱根駅伝への出場権をかけた予選会から。
この予選会で、母校として箱根駅伝に参加できなくなった
「敗れた強者」で構成される、学連選抜。
わずか2カ月だけ「チーム」を組むになる者たち。
一体、何のために自分たちはタスキをつなぐのだろう?


前の年に散々な結果を出した、学連選抜キャプテンの浦。
その浦の高校時代の同級生で、どこか飄々とした門脇。
1年生ながら、学連選抜に選ばれた若き走者の朝倉。
そして、良くも悪くも目立ってしまう、天才・山城。
この4人を軸に、学連選抜コーチ、マネージャーなどが色を添える。


母校のタスキをつなぐわけでもない学連選抜って何のためにあるんだろう。
そんなことを、箱根を見ながらいつも気になっていました。
学連選抜より、1チームでも多く出した方がいいんじゃない?とか。
そんでもって、この話のように走力のある学連選抜が上位に食い込んだら
レースとしては面白いけど(笑)システムとしてはどうなんだ?とか。



「風が強く吹いている」がエンターテイメント作品なら、
こちらはかなりリアリティーを追求した作品かなという印象。
あとは、作者が女か男かというのも多少なりとも影響あるかな。
私は、「風が強く吹いている」の方が好きです(突拍子のなさが)


ちょっと残念だなーと思ったのがメイン走者4人ばかりに
スポットが当たっちゃって、残りの6区間がほぼスルーだったこと。
駅伝開始前の話にも登場しなかったんだからいいんだけど。
10人で走るんだから、みんなにスポット当ててあげればいいのになって。
そうすると、話として間延びしちゃうってのも分かるんだけどね〜。


でも、総じて楽しめました(感想が他のより長いし)
ラストの山城の言葉は、この男成長したな〜です。
山城を主人公にした続編も単行本で出ているらしいので、
文庫化したら、ぜひ手に取りたいなー。



なんだかんだ、私も箱根駅伝好きなんだな〜、父の影響ですな。
来年の箱根はシード争いと学連選抜に注目しよう。
って、10か月も先だし!!!もー、ホント読む時期間違えた!