「スープ・オペラ」 阿川佐和子

スープ・オペラ (新潮文庫)

スープ・オペラ (新潮文庫)



ルイ。独身。35歳。
女手ひとつで育ててくれた叔母さんと二人暮らし。
その叔母さんが還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
一人家に残されたルイだったけれど、
ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。
初老だけどモテモテのトニーさんと、年下の気弱な康介。
3人の唯一の共通点はスープ好きであること。
一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。
そして叔母さんの恋の行方は?


美味しい食事の描写の出てくる小説は素敵だ。
タイトル通り、この作品の最初はスープの様子から始まる。
そして、いろんなスープがぞの時その時のポイントで出てくる。
もう、たまらないわけで。
ガズパチョとか、明日にでも作りたいなーとかね。


キャラクター構成も、阿川さんらしいとても魅力的な方ばかり。
物語の展開も、派手な事件が起こるわけじゃないけれど、
いろんな事情がたくさん絡み合って、味が深まるスープのようで。
美味しい小説でした、こういうのもっと読みたい。


映画化もしてるんだよなー。
で、勢いに乗って見てみたのだ。
ルイ、トニーさん、トバちゃんはイメージ通り。
康介だけが、ちょっと若過ぎる感じで…悪くもないけど。
あと微妙に設定が変わった結果、結末も少し変わって、
うーむ、やっぱり原作から入った映画は難しいなと。