「太陽の塔」　森見登美彦

森見氏、デビュー作。
読もうと思いつつ、いろんなのを先に読みすぎた。

私の大学生活には華がない。
特に女性とは絶望的に縁がない。
三回生の時、水尾さんという恋人ができた。
毎日が愉快だった。
しかし、あろうことか水尾さんは、
この私を振ったのであった！
クリスマスの嵐吹き荒れる京の都、
巨大な妄想力の他には何も持たぬ男の無闇な疾走。

出だしの２行が、森見氏のすべてだと思う。
我が道を行く文体、類稀な妄想力の素晴らしさ。
男汁があふれて、むせかえるほどの切なさ。
もー！なんでこんなに愛おしいのだろうか(笑)

クライマックスの「ええじゃないか」のシーンは、
現実に起こらないかと期待してしまうほどだ。

手元には有頂天家族があるので、秋深まる夜長によもーっと。