「月魚」 三浦しをん
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/05/25
- メディア: 文庫
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で、再び三浦しをんさん。
今年、いったいどんだけ読んでるんだ。
ハマると抜け出せない性格が分かりやすくでてます。
夢を見ることも、野心もすべてあの夏の日に生まれた。
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜。
その友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、
その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、
幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
「水に沈んだ私の村」さらに文庫版描き下ろし「名前のないもの」収録。
物語の全体はじっとりではなくしっとり。
主人公はそれぞれに罪の意識を抱えて成長している。
それが原因でお互いに素直に向き合えないもどかしさ。
三浦さんの嗜好が、思いっきり反映されているなぁと。
2人の関係が、ピンと細く張った糸のようで。
その緊張を壊してしまいたい衝動と、守りたいと思う気持ちと。
絶妙なバランスが、作品全体を覆っている感じがたまりません!
私はあまりにも直接的な表現をするBLものは苦手なので、
想像力を書きたててくれるくらいのが、読んでいて楽しいです。
主人公2人の姿かたちも、女性の萌えポイントをついてますし。
三浦さんのエッセイや元気のいい話もいいですが
こう、適度に湿度を感じさせるタイプの方が個人的には好きです。
さて、手元の三浦作品が底を尽きた。。。
次、どうしようかなぁ。