「空中庭園」 角田光代
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: 文庫
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このブログで角田さんの感想は初かなぁ。
古本屋で見かけて、久々に読もうかなでとった作品。
映画化されてるんだっけなー、どんな話だろーって具合。
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郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは、
「何ごともつつみかくさず。」
でも、本当は皆が秘密をもっていて、それぞれが違う方向へ。
異質でありながらも家族であるしかない。
普通の家族に見える一家の光と影……。
ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景を描く。
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京橋家の娘(姉)⇒父⇒母⇒母の母(祖母)⇒父の愛人⇒息子(弟)の順で、
それぞれの視点で、一見普通に見える家庭を切り取ってゆく。
「何ごともつつみかくさず。」というモットー自体が後ろめたさを感じさせる。
家族と言えど、自分そのものではないのだ。
家族だから、隠しておきたいものがあるのだ。
京橋家の母、絵里子が「普通の家庭」を築いていこうとする努力は
痛ましさ、むなしさ、やるせなさが伝わってきて読んでいてつらくなる。
自分の母への屈折した思いからくる彼女の行動。
母と娘ってやっぱり難しい。
女性作家が書く母と娘とはどうしてこうも痛ましいのか。
やはり同じ女として、思い当たる節があるからだろうか。
自分と母の関係を少し振り返ってみたくもなる。
にしても、ダークな話だったなー。
でも嫌いじゃないテイストでもある(笑)