「禁断の魔術」 東野圭吾
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/15
- メディア: 単行本
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2作品続いてガリレオ。
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草薙に連れられていったクラブのホステスは、透視能力がある?
そのカラクリにガリレオが挑む。(「透視す」)
引退に追い込まれた野球選手の妻が殺された。
亡くなる直前に彼女が持っていた贈り物の謎。
野球選手の再生は科学の力でできるのか?(「曲球る」)
双子の姉の危機を察知した妹、辛くも姉は一命を取り留めた。
テレパシーは本当に存在するのか?
湯川はなぜ、テレパシーに興味を示したのか?(「念波る」)
天涯孤独となったかつての教え子が犯罪に手を染めようとする。
その姿を見たとき、湯川のとった行動とは…?(「猛射る」)
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3作品は、科学捜査というよりは動機の解明に近い。
ちょっと加賀恭一郎シリーズっぽさもある。
最後の作品「猛射る」は久々にぞくぞくしました。
去年読んだ「真夏の方程式」を彷彿させるような作品。
<教え子との関係性>というのがとても似ていました。
自分の教え子を徹底的に信じぬく心。
忘れちゃいけないなと思います。
その姿勢こそが、勉強を教えることよりも
もっとずっと大切なことかもしれない。
最初は、科学の世界に生きる変な学者だった湯川が
長年の作品を通じて人間味を帯びてきて、
教育者としての姿を最後はこれほどまで熱く見せてくれた。
しばらくはお休みっぽいですが、
またの機会にぜひ描いてほしいなと思います。