「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)


森見氏久々だ〜。
読みかけで、本をどこかへやってしまうという失態。
最近発掘されたので、ようやく読み切りました。


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ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほど
いろいろなことを知っている。
毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。
ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。
このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が
関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした―。
少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。


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森見さんの作品としてはかなり珍しく、舞台が京都でない。
架空の街、イメージは郊外のベッドタウンかな。


主人公も小学4年生のアオヤマくん。
とっても好奇心の旺盛な少年です。
小学生としてはかなり賢くて、いろんなことを調べて研究している。
だけど、人の心の機微はまだ分からない幼さがところどころに見える。


お姉さんは歯科医院につとめている、どこか不思議な空気を持つ人。
やがて少年アオヤマくんはお姉さんの秘密を知ることになります。


その秘密を解き明かすとき、一つの崩壊がおとずれる。
ラストが、アオヤマくんの夢オチとか森見さんお得意の妄想だったら…と
中盤で不安になったのですが、そんなことはなかったので良かったです。


読み終えた感想としては、
スタンド・バイ・ミー」と「ハリー・ポッター」の掛け合わせ?
アオヤマくん、ウチダくん、ハマモトさんの3人はハリーを思い出すし、
夏休みを中心とした冒険は、スティーブン・キングのそれっぽい。


アオヤマくんは賢すぎる気もしますが、とても愛おしく感じます。